nasakoの毎日どっこらしょ

期間限定ドイツ在住中。美しい日々を生存確認的に文字起こし。

ドイツ語は挫折したまま英語のオンラインレッスンってどいうことだよ

 先月から英語のオンライン授業を受けています。ドイツ語は挫折したまま英語のオンライン授業をとっているなんてどういうことだよと自分でも思うけれど、これが思いがけずドイツ語にも良い影響を及ぼしているようなので覚え書きに。

 

 まず英語の授業についてですが、オンラインなので先生も生徒も各国から参加していて、発音にもそれぞれ特徴があります。ヨーロッパ圏の先生はイントネーションがイギリスぽくてちょっと慣れないし、アメリカ圏の先生はアメリカ〜て感じの話し方で聞き取り安いけど速い(笑)参加者に至っては特に韓国の方だとイントネーションが日本と似てる感じがするので変に聞き取れて、インドやアフリカ圏になるとなぜか聞き取れません。ですが先生はちゃんと聞き取っているので、私の耳と頭の問題なんでしょう。

 

 予習しても復習してもなかなか追いつかなくて、私が話す番になると死ぬほど出てくる「あー」「うー」「んー」もしっかり待ってくれて、「よくやった!」「わかるよ」「いいね!」と相槌を打ってくれるのがナチュラルに嬉しいです。アメリカや英語圏の人々にとったら日常的な相槌で大した意味はないのかもしれないけれど、単純に日本語に訳す私は嬉しくなるのです(笑)

 

 そしてこうやって小さな嬉しいを積み重ねて少しずつ自信になったのと、私が聞き取れない他のイントネーションの人たちが先生とコミュニケーションを取っているのを見ていると、「話し方なんてどうでもいいのでは」と思えてくるのがなによりの収穫です。

 

 私は英語もドイツ語もできれば綺麗に喋りたくて、それは日本語でもそうなんですが、その気持ちが第二言語を学ぶ上でのストッパーや上達へのハードルになっている気がします。

 

 そもそもなぜそんな言葉にコンプレックスを持つようになったのか。それは私が初めて地元を出た時に遡ります。

 

 高校を卒業して、念願だった家を出ることになりました。入ったのは寮でしたが、親の管理を離れて自分一人で生活することにワクワクしていました。瀬戸内海に面した街に住む私が出たのは同じ地域の日本海側でしたが、そこで「話し方が怖い」と言われたのです。

何気なく話していた言葉が実は方言で(しかもガラの悪い地域でw)、それが他の人間に威圧感を与えたり自分の間違った印象を持たれることになるとは思ってもいなかったので衝撃でした。なんなら幼き頃の夢はアナウンサーで、ニュースのアナウンサーの真似をしていたので自分は正しい日本語を喋れていると思っていたから余計に。

 

それからはできるだけ方言を封印して、標準語とか正しい日本語とか、はたまた人を傷つけない言葉を選ぶとか、なんかこう「正しく言葉を使わないと」と思ってきた気がします。(それで100%正しい言葉を使えているとは思ってないですし、意図せず人を傷つけてしまうこともあるのですが・・)

 

 

 母国語である日本語を「正しく使おうとすること」は結構なんなくできる(はず、というかそう願いたい)なんですが、第二言語以降はなかなかそうはいきません。言葉はスポーツとはよく言ったもので、失敗しながら練習して上手くなっていくとみんな言ってきます。ただ私にとっては「その失敗をコミュニケーションの中でしていかなくてはならないこと」のハードルがめちゃくちゃに高かったんです。

 

もともと変にプライドの高い私は陰で練習するタイプ。勉強だろうと部活だろうとスポーツだろうと、1人で練習する方が好きですし努力を人に見られるのは恥ずかしい人間です。盛大に失敗するくらいならアホの真似をしている方がマシです。それでも失敗をすることの方が多いですが、たとえ失敗してもそれは練習で、誰にも迷惑はかけません。そもそも真剣にやっている以上それ自体が私自身の人間性や私の周りの人間関係にマイナスに関わってくることはないと思っていました。

 

 

 でも言語は違います。言葉を間違えれば私という人間が間違って伝わることもありますし、そうしてコミュニケーションが失敗したり亀裂が生じれば人間関係が崩れてしまうかもしれません。コミュニケーションにおける言葉の重要度が自分自身の中で大きすぎる私にとってそれはとても恐ろしいことで、避けたいことでした。もちろん過去の経験からコミュニケーションは言葉だけじゃないと頭でも経験でもわかっていますが、相手や物事を深く知ろうと思う時に言葉は欠かせません。失敗や間違いを弁明しようにも言葉が必要で・・

 

なんてぐだぐだ考えてだらだら書いていますが、とにかく

「間違えたくない、言葉もコミュニケーションも」

これに尽きます。

とどのつまり「自分がどう思われるか」が大事なダサい人間なんです。

 

 オンライン授業を受けながらこんなことを考えて、そういえば英語やドイツ語にかかわらず日本語でも自分が主となって話すのは苦手だな、と忘れていた事実に改めて気づきました。聞き役に徹しがち、質問は無駄に上手で、3人以上になるとほぼ無言です(笑)

 

 でも授業を受けていろんな人が第二言語として言葉を学んでいる姿を見ていると「正しいのは大事だけどあんまり気にせず話してもいいんじゃないか」と思えてくるのです、きっと勇気をもらえるのかも。だって私も含めてみんな間違えるし先生に訂正されるしでもそうやってがんばってる仲間たちが世界中にいるんです。英語学習を通して小さい自信と勇気と、そして少しずつですが語彙を獲得しています。

 

 ドイツ語は再開していませんが、知っている単語だけでも伝わることはある!とドイツ語に対してもポジティブな気持ちになれているので、この調子でドイツ語の勉強も復活させます!

 

・・きっと。