nasakoの毎日どっこらしょ

期間限定ドイツ在住中。美しい日々を生存確認的に文字起こし。

私の人生の最後を飾るのはシンプルなアレ

 私は卵が好きです。どのくらい好きかというと卵ごはんなら毎日食べてもきっと毎朝美味しいと思えるくらい。この一文でもう私が人生で最後に食べたいものはお分かりかと思います。ほかほかの炊き立てごはんに生卵ぽとん、黄身に箸を突き刺して醤油をたらすと箸を伝った醤油が黄身と少し混ざりながら底まで流れていきます。思いっきりかきまぜてそのままかきこんでもいいですし、黄身と醤油とごはんの絶妙なコラボを楽しんでもいいですし、薬味を準備して味変したり好みの組み合わせを探すもよし。シンプル、なのに最強、そして無限。書いてて「卵ごはん食べたい〜!」と叫んでいます。

 

 ですが今ドイツにいるからこそ言いたいのは、「海外で生卵を食べるのは勇気がいる」ということです。「全然食えるぜ!」という猛者もいることとは思いますが、もう年とるとシンプルに病気したくないのです(笑)

 

 かつて若い頃に1人単身カンボジアに行き、3年ほど日本食レストランで働いていました。カンボジアで卵といえば市場で炎天下の中10×10の卵の入れ物が足元から腰まで積み重ねられ35度を超す(時には40度を超える)炎天下の中冷蔵庫にも入れられず太陽に晒されています。そんな卵を見た当初は衝撃で「絶対に生卵を食べることはないだろう」と思ったものですが、カンボジア歴も2年を過ぎると「卵を割る時に失敗しなければ生でも食えるだろう」という思考になります。慣れってコワイ。そして危険を冒してでも卵ごはんを食べたい精神状態でした(どんな状態?)

 

 そして試した結果、大丈夫だったのです。私は安堵し、何度かカンボジアで卵ごはんを楽しんだのです。その数年後、こうしてドイツにいるわけですが、ドイツのスーパーでは卵は6〜18個のパックに入り空調の調整されたスーパーに陳列されています。カンボジアよりも全然衛生的だと思うのですが、蓋を開けてみると羽がついていたり汚れていたり。日本で売られている綺麗な卵とはまた全然異なります。あれは消毒済みなんですね。

 

 それでもカンボジアで大丈夫だった経験もあるしとチャレンジしようとしたこともありますが、あの頃とは違い年齢を重ねて身体も体力も衰えているではありませんか。それを自覚している以上、人間は慎重にならざるを得ないようで…サルモネラについて検索をかけると衝撃の事実が。私はサルモネラ菌って殻についているものだから殻が中身に付着しなければ大丈夫だと思っていたのですが、どうやら飼育の段階で体内にサルモネラ菌を宿しているかどうかが生卵を食べられるかどうかにかかっているというのです。

 

 え??そんなこと管理できるの?逆に日本の生卵どうやって管理されてんの?家で鶏飼って産みたての卵食べてる人はどうしてんの?てか産みたてですら生では食べられないということ?ドイツ人も生肉は食うのに生卵は食べないの?と疑問の嵐で思考停止。とりあえずまだヨーロッパで生卵もとい大好物の卵ごはんを食べるという夢はまだ延期したままです。

 

 というわけで私が人生の最後に食べたいものは卵ごはん(できれば最後なので贅沢に薬味を選べるようにしたい)ですが、体調を崩したくはないので日本にいる時以外は大人しくしていようかな、と今は思っています。もちろん明日地球が滅びるよと言われれば、世界のどこにいても卵とごはんと醤油だけは準備したいです。日本人だなあ。

 

お題「人生で最後に食べたいものは?」