雨が続くなあと思っていたら急にお天気がよくなって、ドイツにもすっかり春が訪れています。花が咲き誇っていて、午前中晴れて美しい天気だと思ったら昼頃から曇り初めて夕方雨が降りがち、という私にとっては2度目の、ドイツでの春。
夕方、西の空から沈むにはもう少しだけ早い太陽が、東の空に重く立ち込める雲を照らしていると雨が降って虹が見られるチャンス。どんよりした雨雲が沈む前に力強く光る太陽に照らされるその瞬間はまるで、家の窓が絵画にでもなったように美しいです。
数十分後にはさぁーっと雨が降り出し、少し強く振ったらだんだん小雨に。そのあたりから虹色の橋が現れ、ずっと追いかけて見ているはずなのに気づくと大きな半円を描いています。
雨好きな私は雨が止んでくれるな〜と思いながら見ていますが、そううっとりしている間に雨は止み、太陽は沈み、虹は消え、外はまだ明るいのに室内はうっすらと暗くなり、東の空には夜が迫っていることに気づくのです。あの時間はなんだかタイムスリップしたような、夢の中にでもいたような、狐にでもつままれたような、そんな気分になります。「あ、ごはんしなきゃ」「あれ、何時だろう」と日常に引き戻される瞬間。
ずっと夢の中にいたい、美しい景色と陽気の中でぼんやりしていたい。
そんな気持ちを誘う春だから、精神を病みやすかったり現実とのバランスを取りにくくなるのかもしれません。最近無気力症候群なんだと人に相談したら、「春だからね」と返ってきました。なんてあっさりした返答なんだと思ってしまったけど、パートナーとぎくしゃくしていることもイライラすることも絶賛ネガティブキャンペーン中で涙が出ることもな〜んにも気が乗らないことも誰にも会いたくないことも、全部ぜんぶ春のせいにできる方が楽かもしれないと思ったりするここ数日でした。